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昔、すぐ近くの神社で霞と遊んでいた
神社とは言っても何もなく、無人の神社だ
そんな何もない所は僕は大好きだった。誰も人が居ないという安心感がたまらなかった
妹の霞はあまり外で遊ばないタイプで完全にお兄ちゃん離れをしていなくて、ずっと僕に着いて来ては遊ぶのを繰り返していた
そんな中、僕達は神社で何をしているのかというと
『にぃには何をお願いするの?』
『う~ん、何をお願いしようかな?』
そう、お参りをしていたのだ
なぜかは分からないが、霞が来たいと駄々をこねたので来ることにした
別に嫌ではなかったので着いて来た次第だ
『あ、そうだ。僕はななみお姉ちゃんのお願いをするよ。高校入試に受かりますように』
『いいなぁ~、お姉ちゃんばっかり卑怯だよぉ~』
『えぇ~!じゃあ、霞にもお願いするよ。いつまでも元気で居るように、て』
『ありがとう!にぃに大好きだよ!』
満面な笑みでこちらを見る霞を見ているととても心が安らいだ
霞がいつまでも元気でいて、それでいつまでも霞がこの笑顔を浮かべるようにと、僕は心の中で一つお願いを足した
『それで霞は何をお願いしたの?』
『わたし?わたしはにぃにと……』
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