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ほんの数年前の話。
この世界には戦火が絶えなかった。
たくさんの人が涙を流し、数えきれない命が毎日のように消えていく。
終わりの見えない戦いの日々に人が慣れてしまった頃。
醜い争いを続ける私たち人間の前に、突如異形の化け物が現れる。
化け物は次々と人を喰らい、踏み潰し、破壊の限りを尽くした。
圧倒的な力を持った化け物を前にし、全ての人類は協力する。
が、それは遅すぎた。
主力だった兵器は化け物相手には効果が薄く、少しずつ追い詰められていき、誰もが人類の勝利を諦めていた。
それから少しばかり時は流れ、出現から丁度一年過ぎたある日。
化け物は突如同士討ちを始め、僅か数日でほぼ全滅。
辛うじて勝利した人類は、世界共通のある条約を設ける。
一切の戦闘侵略行為の禁止、その他復興支援などに関して、それらに異を唱える国は一切なく。
混迷を極めた動乱の時代は、あまりにもあっさりとした終幕を迎える。
しかし、この事件すら呼び水に過ぎないのかもしれない。
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