俺と少女のファーストコンタクト

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夏休みに久しぶりに故郷に帰省した俺――桜 海斗は田舎の空気を吸い込み一息ついた。 「ふぅーー、やっと着いたああぁぁぁーー。新幹線三時間、電車二時間、バス三時間、徒歩五時間、合計十三時間ってなんだよ!朝早くに出たのにもう夕方だよ!」 海斗が実家の前で一人で田舎の理不尽に突っ込んでいると、海斗の後ろを何かが通った。 「こんな時間に人が?もう日も暮れるっていうのに」 海斗の故郷は周りを山に囲まれているので日が沈むのが早い、そのため数少ない村人達は日が沈む前に家へ帰っている。 不思議に思った海斗は道に戻り辺りを見渡した。 「今のはいったい……あ!」 夕日を背に受けて小柄な人影がこちらを見ていた。 「そこで何をしてるんだ?夜は危ないから早く帰りなさい」 海斗が声をかけると、人影は近づき海斗の服の袖を引っ張る。 「女の子かい?どうしたの?早くお家に帰ろうね」 海斗がそう促すと少女は少し離れて、 「ついてきて」 と言い歩き出した。
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