ある春の朝。

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「ほう、朝起きてみたら女の子になっていたと、、、なんでだ?」 「父さんの願いが通じたんじゃない?毎日お願いしてたんだろ?神様が叶えてくれたんだよ。」 「おー!なるほど!日頃頑張っている父さんに神様が癒しを与えてくれたってことだな?ここ3年間毎日お願いしてよかった。」 「うえ、本当にお願いしてたのかよ。気持ちわりいなー、、、」 とかなんとかお父さんと歩が無駄な会話を繰り広げている。 「でもどうするればいいのかな、、、?もう来週から学校も始まるっていうのに!それにこれじゃ友達にも会えないよ。」 今日だって本当は遊ぶ約束をしてたのに、、、 「学校の方は問題ないんじゃない?詳しいことはお母さんもわからないけど任せておきなさい?問題はお友達ね。幸い高校は違うみたいだしお母さん当分は合わない方がいいと思うの」 「い、嫌だよ!今日だって友達と遊ぶ約束があるんだ!それに高校が違うんだからなおさらだよ!全然会えなくなっちゃうんだよ!?」 なんだかんだいってみんなは大事な友達なんだ。 こんなことになってもうただでさえ会えないかもしれないのに、、、 「でも渚?あなたその姿でお友達に会ってどうするの?みんなは貴方を渚だってわかってくれるの?いつもと同じ様に接してくれるの?」 それは、、、多分無理だろう。 みんな僕を渚だってわかってくれないだろう。いつもと同じ様になんて無理に決まってる。 でも僕はどうしても諦めきれない。 「渚、酷いこと言うかもしれないけど。もしお友達に否定的な態度を取られたらどうするの?貴方はそれを耐えられるの?」 僕はそのお母さんの言葉で友達と会いたいという思いを諦めるしかなかった。 みんなに嫌われたら、気持ち悪いと思われたら?そう考えると怖くて怖くてたまらなくなった。 そんな思いをするならいっそのこと仲のいい友達のままお別れした方がという考えに行き着いてしまったからだ。 その後もお母さんと話し合った結果。 今日は隣街のアウトレットに必要なの物を買い揃えに行くことになった。 家族との話し合いの後、友達にメールを送ることにした。 「当分は会えなくなる。 今日の遊びにも参加できない。 約束守れなくてごめんね。」
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