ある春の朝。

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「貴方、誰?」 そうお母さんは僕に言った。 お母さん。貴方の息子ですよ。 でもお母さんがわからないってことはやっぱり見た目もかなり変わってしまってるのだろうか、、、 僕自身がまだ自分の姿を見ていないからよくわからないけど実の母に誰?とか言われるとはショックなものがある。 「えっと、僕です。渚です。」 そう言うとお母さんはとても不思議な顔をして顔を覗き込んできた。 「あ、そうか、渚かっ。」 僕から顔を離すとお母さんは軽い口調でそう言い放った。 「わ、わかるの?僕が渚だって?こんな姿になっちゃったのに??」 「こんなとは何よ?かわいいじゃない?それに私は貴方の母親よ?最初はビックリしたけど姿形が変わろうと貴方のことはわかるわよ、それが母親ってものよ、バカなしないでくれる?」 そうお母さんは笑いながら僕の頭を撫で回した。 なんだか拍子抜けだな、、、 もっと大騒ぎになるかと思ったのに。 そっか僕のことわかるんだね。 ありがとうね。お母さん。 その後、僕はお母さんと一階の洗面所に向かって自分の顔を見た。 そこには何処かで会ったことのありそうな女の子が写っている。 肩まであるセミロングの黒髪に大きく丸い茶色の瞳の女の子。 背はそこまで高くない様でお母さんと同じくらいだから155cm程だろうか。 でも良く見ると顔の細部は大きく変わっていないのは僕が元々中性的な顔つきだったからだろうな。 なんか複雑、、、 ボーッと鏡を眺めているとお母さんが僕を連れてリビングに向かった。 「ちょっと待ってよ!リビングにはお父さんも歩もいるんだよ!?」 僕がそういってもお母さんはいつかはバレるんだからと無理やりリビングに押し込んだ。 そこではお父さんと歩がテレビをみていた。 「おー、渚も一緒に見るか、、、ほぉ」 「どうしたんだよ父さん。変な顔して、、、は?」 父さんと歩は僕をみて意味がわからないという様子だ。 そりゃそうだろう。普通はこんな反応をするものだ、お母さんが異常なんだよ。 「渚か?可愛くなったなー!父さんな娘も欲しかったんだよ、どうだ?父さんと結婚するか?ん?」 「は?この人、兄ちゃんなの!? 嘘だろ?めっちゃかわいいじゃん!!」 どうやらお母さんじゃなくてうちの家族が異常だったみたいだ。
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