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(とにかく聞こえないふりしとこ…)
剣の呼び掛けを無視しつつ、めぼしい物がないか探し始める
「何かないかなー。 」
あからさまな棒読みで少しずつ剣から遠ざかる
―待て!!ここに立派な剣があるじゃろう!?―
先程の威厳たっぷりの声は何だったのか、声には明らかな焦りが読み取れた
「見た所何もないようだけど…」
―確かに、ぱっと見では何もないように見えるがの、実は壁には希少金属がふんだんに使われているのじゃ!!―
声は誇らしげに告げる
いくら呼んでも反応しないので聞こえていないと思っているのだろう
「とりあえず壁でも掘ってみるか。」
―なっ!?―
驚きの声をあげる“声”をよそにノラは壁に手を当て、魔力を流す
そして内部の鉱石を集めて壁から取り出す
採掘道具も要らず、何とも楽なことだ
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