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男side-
「何だったんだ、あいつ…」
俺は思わず声に出してしまった
それほどさっきの男の気配が異様だったからだ
「マスター。」
隣にいた俺の使い魔、ミカエルが真剣な表情で話しかけてくる
「なんだ?」
「先程の男ですが、魔力量が異常です。
私はもとより、封印具を全て外したマスターにも匹敵する量でした。」
「なに!?」
歴代最高の魔力量を保有している俺と同等の魔力量だと!?
そんなこと…あり得るのか?
でも、魔力に疎い俺ら人間はともかく魔力探知に長けてる天使、ましてミカエルが言うんだから間違いないだろう
「マスター、とりあえず受付の方に先程の男のことを聞いてみては?」
「そう、だな。」
俺らはさっき男と会話をしていた受付に行く
「あら、クロスくんたち。痴話喧嘩は終わったの?」
受付嬢はこちらをニヤニヤしながら見てくる
「そんなことより、さっきの男について教えてくれ。」
この人の話に付き合うとキリがないから、さっさと本題に入るに限る
「もぅ、つれないわね。
さっきの男ってえっと、ノラさんのことよね?」
「名前は知らないがさっきまで喋っていた男だ。」
「ん~教えるっていっても私もそんなに知らないわよ。
年がアベルくんと同じ17歳だとか魔力ランクはCだとか先天属性が風とかその位しか分かんないわ。」
ん?今おかしなことが聞こえたような…
「魔力ランクがCっていうのは本当か?」
「ええ。計測装置がそう表示したもの。」
どういうことだ?
あいつの魔力は俺にも匹敵するはずじゃ?
「あ、それはそうとマスターがあなたを呼んでいたわよ。」
親父が?
「何て言ってた?」
「私は何も聞いてないわよ。とりあえず行ってみたら?」
さっきの奴のことも報告しないといけないしな
とにかく行ってみるか
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