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カランカラン 扉を開けると鈴の音が来客を知らせるように鳴り響く 「いらっしゃいませ。 ああ、あなたは護衛の…」 「ノラと申します。 えーと、ルークさんはいらっしゃいますか?」 「店長ですか? 少々お待ちください。」 店を訪れ、昨日の店員に質問をすると、ルークを呼びに奥の部屋に行ってしまう 「やあ、ノラくん。」 「こんにちは、ルークさん。」 少しして奥からルークが現れた 「今日はどんな用事だい?」 「昨日の件のお返事に伺いました。」 「それで?」 ルークが一歩前に踏み出る 「………申し訳ありません。」 「………理由を聞かせてもらってもいいかな? なに、責めてる訳じゃないよ。 今後の参考にしたいからさ。」 「理由は……『広い世界を見てみたい』からです。 この世界には様々な土地があって、物があって、人がいて、文化がある。 そういったものを自分の目で見て、触れて、感じる… そういう風に生きてみたいんです。 だから今回は申し訳ありません。」 ルークはふうっと息をつく そしてノラの目を見る 「…分かった。 できれば受けて欲しかったけど無理強いはできないしね。 でも、気が変わったならいつでも来てね。歓迎するよ。」 「はい。お忙しい中ありがとうございました。」 ノラは一礼をして店を出る ルークは近くの椅子に腰掛け外を見遣る 「広い世界を見てみたい、か…」
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