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「こんにちは。 本日はどうなさいましたか?」 少女は柔らかい笑みを浮かべて尋ねる 「えと、教会が凄かったんで見学?に来ました。」 その笑みに思わずドキッとしながらもノラは答える 「ふふ、そうですか。 それならどうぞご覧になってください。 ええと…」 「ああ、ノラと申します。」 「ノラさんですね。 私はシンシアです。ここの司祭を務めさせて頂いてます。 ところでノラさんはユグドラシル教を信仰していますか?」 共に絵画や彫刻を見て回りながらシンシアは質問する 「ユグドラシル? 世界樹の?」 「確かに女神ユグドラシル様は樹となり世界の行く末を見守っていると聖書にはありますが… 先にそちらの方を挙げられるとは思いませんでした。 しかし、ユグドラシル教の信徒というわけではなさそうですね。」 女性の像の前で二人は足を止める 「こちらが女神ユグドラシル様です。 慈しみ深い我らが主は、どのような方にもその深い愛を持って我らに救いを差し伸べてくださいます。 ノラさんは何か信仰しているものはありますか?」 「あ、いえ、特には…」 「でしたら是非とも主を信じてみてください。 主は信じるものに必ず救いをくださいます。」 そう言ってシンシアはにっこりと笑みを浮かべる その時、上から鐘の音が聞こえてきた 「どうやら時間のようですね。 ノラさん、またいらしてくださいね。 次は説教の時にでも。」 「考えておきます。 本日はどうもありがとうございました。」 シンシアにお礼を言い、ノラは教会を出た
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