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(うわ、あいつギルドにいた奴じゃん。)
ノラの視線の先にはクロスと呼ばれていた男がいた
(顔は合わせないようにしよ。)
正面に向き直り注文が運ばれてくるのを待つ
「ここは安くて美味いからオススメだぜ!」
「わたくし達もよく利用してますの。」
「…ああ、そうか。」
「それにここの人達はすごく優しくて色々サービスしてくれるんだよ!」
「…ああ。 」
幸いなことに、向こうはこちらには気づかずに奥のテーブルに向かった
(気づかれる前に出て行くか。)
奥の方をちらりと見て嘆息する
「お待たせしました。
カムカウのステーキです。熱いので気をつけてお召し上がりください。」
「ありがとう。」
(とりあえず食べよう。)
(牛肉だな。)
出されたステーキをおそるおそる食べるノラだったが、食べてみればなんてことはない、ただの牛肉ステーキだった
(さて、じゃあ宿に帰りますか。)
「勘定お願いします。」
「はい、銅貨8枚になります。
毎度ありがとうございました。」
勘定を済まして店を出る
結局、向こうは最後までノラのことには気づかなかったようだ
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