6

3/11
前へ
/105ページ
次へ
「ふわぁ…。」 ノラが欠伸を漏らす 都を出て数時間、太陽は空高く昇り、暖かい日差しが降り注いでいる どうやらぽかぽかとした陽気とのんびりとした街道の雰囲気は眠気を誘うようだ 「朝はちょっと寒かったくらいなのに…」 ぶつぶつ言いながら道を進む 「町はこの森を抜けた先か…」 さらに数時間歩くと、都に着く前に通った時のものより規模の大きい森が目の前に広がった 太陽は既に地に沈み、赤く染まっていた空は黒く塗りつぶされ、代わりに月が存在を主張するように煌々と光輝いている 森は街道とは異なり野性動物がいて、しかも夜となれば危険なのだが、ノラはその事を気にも掛けずに森の中に踏み込む
/105ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2656人が本棚に入れています
本棚に追加