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『オラクル』
それは、惑星間を自由に旅する巨大な船団だ。
その誕生と共に、外宇宙への進出が可能となり、新たな歴史は始まった。
そして今や、我々の活動範囲は数多の銀河に渡る。
行く先々で見つかった、未知の惑星には『オラクル』内で編成された部隊……
『アークス』が、惑星に降下し、調査を行う。『アークス』は、『オラクル』に存在する三種族からなる。
バランスに秀でたヒューマン
フォトンの扱いに長けたニューマン
頑丈な身体を持つキャスト
それぞれが補い合い、協力することで、我々『アークス』が成り立っているのだ。
……到着したようだな。
これから向かう惑星はナベリウス。
文明は存在せず、原生生物は凶暴だ。決して油断はするな。
健闘を祈る。
新たに誕生する『アークス』よ。
今から諸君は、広大な宇宙へと第一歩を踏み出す。
覚悟を決め、各々のパーソナルデータを入力せよ。
我々は、諸君を歓迎する。
* * *
話が終わったようで、窓に映されていた映像が消える。窓の外を見ると、どこまでも続く木々が遙か下に窺える。密林に覆われた惑星の様だ。これから、初めての任務に移ることになる。
黒い髪、黒い瞳の青年は眼下をじっと見下ろしていた。
「はー」
不意にため息が聞こえた。惑星へと降りるためのテレポート装置の傍で、金髪の青年が彼に背を向けて肩を落としている。
「肩の凝るアリガタイお言葉だこと。みんな承知の上で来てるってのによ。ん?」
視線に気づいたらしい。ニューマンの特徴である尖った耳をした金髪の青年は振り返ると黒髪の彼を見て笑う。
「あ、おれはアフィンって言うんだ。よろしくな、相棒!」
相棒? と彼は視線を周囲に巡らせるが、この惑星ナベリウスに派遣されたキャンプシップの転送エリアには金髪の青年以外には彼しかいない。
「何キョロキョロしてんだよ。相棒ってのはおまえのことだよ、相棒。たまたまとはいえ、同じ組になったんだ。仲良くしていこうぜ」
「ああ……。俺はゼロスだ」
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