第1章~CALLS FROM THE PAST~ずっと明日を待っていた

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~A.P.238/2/21~  一夜明け、アークスとして仕事をするべく装備を整えながらゼロスは昨日のことを考えていた。ありえないダーカーの大量発生、謎の女性シオン、そしてマターボード。  マターボードは今もしっかりとゼロスのアイテムバッグの中に入っている。事象の板、matter board。訳してみてもわからない。 「考えるだけ無駄か」  必要な時が来ればわかる。そう踏み、アークス・ロビーへと赴いた。  上層のゲートエリアへやって来たゼロスは早速任務を受けるべくクエストカウンターへ一直線に向かう。アークスとはいえ駆け出し中の駆け出しだ。そう危険なものを受けられるはずもなく、今現在受注可能な任務はたったの一つだった。 「ザウーダン討伐、か」  惑星ナベリウスでの調査を、原生種が邪魔しているのだそうで、唯一の受注可能任務にその名があった。資料を見ると、先日遭遇した猿よりもさらに大型の猿らしい。赤い毛で覆われており、岩を持ち上げて襲ってくると書かれている。  昨日の猿がウーダンという名の原生種で、黄色い鳥がナヴ・ラッピーだったことを知りつつ、ひとりでスペースゲートをくぐってキャンプシップへと乗り込み、惑星ナベリウスへと向かう。  途中でワープホールを用いているため、惑星との距離があろうとも航行時間はそう長くはない。ナベリウスの大気圏内に入り、転送装置の設置が完了するとゼロスはすぐさま揺れる水面のような転送装置、テレプールへ飛び降りた。  初陣の効果がはっきりと現れており、アフィンがおらずとも原生種数体に囲まれようとも難なく対処できる。もちろん無傷とはいかないため、時折苦いモノメイトを飲んで傷を癒しているが、それにしても動きが違う。敵そのものを一度体感していること、そしてダーカーという存在に遭遇し、死地の隣を歩いたことがゼロスを大きく成長させていたのだ。  近くにいた原生種を屠り、ソードを肩に担ぎ直していると向こうからゼノが歩いて来ていた。、まだゼロスには気づいていないらしく、目の前に来てようやく存在を知る。 「お、ゼロス。元気にやってるみたいだな」
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