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ホールはとても広かった。
白を貴重としており、金色に飾られたキャンドルが並べられている。
オシャレで、豪華な印象があった。
まさか、ここは城かなにかなのだろうか?
でなければ、こんなホールがあるとは考えられない。
「…目が覚めたのね。」
声のしたほうを見ると、あの漆黒の少女が後ろにいた。
少女は眠っていたころのままで、ツインテールで黒いロリータに身を包んでいる。
ただ、少女の紅い目は綺麗な光を帯びていた。
僕を睨みつけたあの残酷な目の印象はどこにも見えなかった。
「あの…ここは…」
僕は聞こうとしたけど、少女は僕の話を遮った。
「これ、焼いたのだけど…。」
上目遣いで少女は焼きたてのブリオッシュをのせた皿を僕に渡してきたのだ。
なんだか、闇の中で眠っていた少女とは別人のようだった。
「あ、ありがとう。」
僕はちょっとだけ少女に微笑んだ。
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