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「…いいわ、教えてあげる。」 少女は純白のカーテンに近づいて、カーテンを一気に開けた。 「…ここは、夜の世界。闇に包まれた、残酷な世界。」 少女はガラスの向こうを眺めながら言った。 紅い月が闇に輝いてた。 僕がこの世界で初めて月を見たころのままだ。 大きなガラスだが、見えるのは月と闇ばかりで、あとは廃虚のような教会が佇んでいるだけだった。 「…終焉が、近づいてる。」 少女は小さな声で言った。 僕は終焉という響きに、切なさを感じていた。 「…終焉?どういう…こと?」 僕は少女に聞いた。 だけど少女は僕の声など聞こえていないかのように、ガラスの向こうの闇を見つめたままだ。 「…見たでしょ?永遠の闇に呑まれる世界を。」 やがて少女はこれだけ言った。 きっと、僕たちにせまってきた闇のことを言っているのだろう。 あの永遠の闇からは逃げられないことは僕も知っていた。 いつか、この世界全てがあの闇にのまれてしまう。 少女はこのことを恐れているのだ。
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