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「…童話って、どういうこと…?」 僕は恐る恐る聞いた。 童話は終わったわけではないのだろうか? だって… ―ロゼは、口づけによって目を覚ましたのだ。 ロゼが姫かどうかは別として、童話はこれによりハッピーエンドを迎えると思っていたのに。 「…いいえ。」 ロゼは厳かに言った。 「私が目覚めたから、童話が始まるの。」 ロゼの紅い目が細められた。 「だって、私が目覚めなければ、鏡は………。」 ロゼは言いかけて、だけど口を閉ざした。 僕には言えないことなのだろうか? 「…調べたいことは調べ終わったし、城に帰りましょう。」 ロゼは歩きだした。 「わかった。」 僕は返事をしてロゼを追いかける。 僕はやはりヘタレでしかないのだろうか? ロゼのさだめは、きっと残酷なのに、ロゼは一人でなんとかしようとしている。 事実、僕にはこの世界でどんなことが始まろうとしているのかわからなかった。 僕は童話について、ラストしか知らない。 童話のタイトルでさえ、覚えていないのだ。 だけど、なにか僕にできることがあるなら、ロゼの役にたちたい。 僕はこう感じ始めていた。
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