1人が本棚に入れています
本棚に追加
/41ページ
僕はあれから、城の中を歩きまわっていた。
とても広い城で、どれほど歩いても部屋を回りきれるかどうかわからない。
だけど、僕はある部屋をさがしていた。
―書斎
僕は、あの童話について調べなければならないと感じていた。
だけど…
「…もうどれだけたったかな…。」
僕は呟いた。
きっと、こんなことをしているとロゼが知ったら怒るだろう。
僕はこう考えて、ロゼが眠ってから城を歩き回り始めたのだ。
暗いホールを蝋燭で照らしながら僕は歩いている。
いつごろロゼは目覚めるのだろうか?
ロゼが目覚める前に、書斎を見つけたいんだけど…。
「…眠い。」
僕だって眠りたい。
さっさと部屋だけでも見つけてしまおう。
―ドッ…
「………!」
僕は違和感を感じて、足下を見た。
フォークとナイフが僕を狙ったかのようにカーペットに刺さっていた。
「誰…?私を殺せとお義母さまに命令されたのかしら?」
ロゼの暗めの声が広いホールに響き渡った。
最初のコメントを投稿しよう!