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僕はあれから、城の中を歩きまわっていた。 とても広い城で、どれほど歩いても部屋を回りきれるかどうかわからない。 だけど、僕はある部屋をさがしていた。 ―書斎 僕は、あの童話について調べなければならないと感じていた。 だけど… 「…もうどれだけたったかな…。」 僕は呟いた。 きっと、こんなことをしているとロゼが知ったら怒るだろう。 僕はこう考えて、ロゼが眠ってから城を歩き回り始めたのだ。 暗いホールを蝋燭で照らしながら僕は歩いている。 いつごろロゼは目覚めるのだろうか? ロゼが目覚める前に、書斎を見つけたいんだけど…。 「…眠い。」 僕だって眠りたい。 さっさと部屋だけでも見つけてしまおう。 ―ドッ… 「………!」 僕は違和感を感じて、足下を見た。 フォークとナイフが僕を狙ったかのようにカーペットに刺さっていた。 「誰…?私を殺せとお義母さまに命令されたのかしら?」 ロゼの暗めの声が広いホールに響き渡った。
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