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僕が見た先には、少女がいた。
少女は薔薇の花弁の上で眠っている。
僕はこの少女の髪をさわっていたのだ。
「…ご、めんなさいっ!」
僕は驚いて謝ったが、少女には聞こえていないようだった。少女が目覚める気配などなかった。
「………。」
僕は少女に見とれた。
少女は17歳といったところだろうか。
白いなめらかな肌。
紅い柔らかな唇。
サラサラの漆黒の髪はだいたい膝まであり、可愛らしいツインテールにされている。
フリルの付いたゴシックロリータを着て、少女は人形のようにも見えた。
―人形?いや…屍?
ここは、死後の世界、永遠の闇ではなかっただろうか?
僕が死んでいるのだとしたら、この少女はどうなのだろう。
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