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僕はゆっくりとこの少女から離れた。
万が一この少女が屍であるなら、ここにいるのは嫌だった。
「…っ!?」
後ろを見て、僕は驚いた。
―扉が…消えた?
ついさっきまであったのだ。消えるなんてありえない。
だけど実際に扉がないのだ。
永遠の闇に呑まれてしまったのだろうか?
どこまで闇から逃げられるだろう。
僕は少しだけ考えたが、逃げられる可能性など微塵もないように感じた。
「―わぁっ!?」
扉が消えたことばかりを気にしていたせいで、何かに躓いてしまった。
僕は薔薇の花弁の上に背中から倒れ込んだ。
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