悪夢の始まり

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漆黒の炎が怪物たちを飲み込んだ。ニーズヘッグが吐き出したブレスだ。 辺りを焦げ臭い臭いが立ち込める。ニーズヘッグはジオを探した。 『ヒールを使え』 「……ぅ…っ……」 サラはわずかにまぶたを開けて、意識を保っていた。体が言うことを聞いてくれない。 ニーズヘッグは大きな手でサラを器用に動かすと、サラの手を胸に置かせた。これでヒールができる。 白い光がサラを包む。傷を塞ぎ、癒していく。 しかし代わりに使うのは生命力だ。サラは当分動けない。 「ニーズヘッグ!」 『ん? あぁ、そこか』 ジオを見つけ、滑空する。ジオはニーズヘッグの手をつかみ、上昇した。
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