悪夢の始まり

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ジオはサラの姿を見ると、手を出した。白い光がサラに当てられる。 『神には人間の治癒魔法は効かないぞ』 「魔力を渡してるだけだ。ヒールは魔力があると少し楽みたいだから」 サラの暗くなった瞳が、ゆっくりと光を取り戻していく。 「ごめん……」 「無茶しすぎ。魔力ないだろ、おまえ」 「怒られちゃった……ごめんなさい」 まったく困ったやつ。自分を犠牲にして人を守るからな。仲間たちがいなければ何度死んだことやら。 結界がゆっくり消えていく。転移が完了したようだ。 『さて、鎮圧するか』 ニーズヘッグは目を光らせた。魔力を放つ。 「氷河時代!」 辺り一面が氷の世界に変わった。
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