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振り向くと、サラが体を折って苦しんでいた。両手も両膝も地面につけ、苦しそうにあえいでいる。
「サラ!?」
サラの背中から触手が飛び出した。サラが小さく悲鳴をあげる。
きれいな手に、足に、顔に筋が入り、手の爪が長い剣のように伸びていく。
サラの目が開いた。いつもと変わらない、緋色の目。
「……よし、いける」
サラの口調ははっきりしていた。目も虚ろではなく、意識がある。
マントの男は思わず拍手した。
「マジかよ、Rーウイルスを使いこなしてやがる!! これが覚醒か!!」
言っていることがよくわからないが、とりあえずすごいのだろう。
サラは大きく息を吐き出し、シュラウベに向かっていった。
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