悪夢の始まり

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地面に叩きつけられたシュラウベはミシミシいいながら潰されていく。地面も陥没していく。 ジオたちに見えたのは黒い壁だった。円形に広がった黒い壁は透けていて、地面が沈んでいくのが見える。 重力操作……この中に入ったら、死ぬ。 しばらくして、サラは広げていた両手の手のひらを閉じた。重力の壁が消えていく。 残ったのは大きな穴だけだった。 「しまった!」 ドレイクはマントのやつを見た。しかしすでにそこにはいない。 サラがフラりと空中でよろけた。ジオが慌ててサラの真下に入る。 予想通りサラは落ちてきた。ふっと触手と爪、体の筋が一瞬で消えた。 Rーウイルスだっけ? その効力を消したのだろう。
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