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その角を曲がると
よく見慣れた家が見えてくる。
昔はよく遊びに行った家。
俺の大好きな人の家。
玄関の前に立ち、インターホンを押した。
…が、返事はない。
窓を見ると、明かりはついていなかった。
まだ帰ってないのか。
おれはまた走り出した。
正直あてはない。
でも、走らずにはいられなかった。
彼の家からそう遠くない公園。
そこのベンチに傘をさしながら座っている小柄な男を見つけるのに、
そう時間はかからなかった。
ただでさえ小さい身体は、さらに小さくなっているように見える。
「祐さん!!」
俺は声を張り上げた。
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