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「デケェー東京タワー三個分ぐらいあるんじゃないですか」
「ゴジラか私は。捻り潰したろうか」
テレビ画面から流れる、日曜お昼のいつもの光景だ。
小さくていつも短パンを履いてるオッサンと、それを鷲掴みにして、天高くから振り下ろされる、迫力満点のチョップを繰り出す巨人のやり取りは、お茶の間を笑顔にする、欠かせないものだった。
こうして世間に笑いを送れるのも、ある出来事が合ったからであった。
巨人アッコには二つの顔があった。
一つはバラエティー番組などで見せる、巨人アッコそのものであるが、もう一つ歌を唄うという姿があった。
歌を唄うとき、巨人アッコは、その巨体を縮小し、人間に近い大きさに体現していた。
そのためか、唄う巨人アッコを巨人アッコと認識する人は少なく、皆その歌声に酔いしれていた。
その一人、アッコに憧れながら病室で過ごす少女がいた。
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