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次の日の朝、私は拓也に会うのが恥ずかしくてずっと下を向いたまま学校へと向かった。
でもその途中、拓也は私を待っていた。
「ゆり、なんかあったのかよ」
そう言われて私の胸はまたドキドキとうるさくなった……。
「な、なんでもないっ」
私はそう言い残すとその場を走りさろうとしたけど拓也が私の腕をひっぱる。
「逃げんなよ。」
「は、離して!!」
私がそう言うと拓也は真剣な顔でこう言った。
「何かあるなら言えよ!!俺達2人に隠し事は無しって言ったのおまえだろ!!」
拓也にそう言われ、私は戸惑った。
拓也の事を幼なじみ以上に想ってしまったなんて言えるはずがない。
言ったとしても拓也はきょとんっとした顔で“冗談言うなよ”って笑い飛ばすだろう……。
「ごめん……拓也……」
私はそう言うしかなかった。
「別にいいけどさ、んじゃ行くか!」
拓也は明るく笑い、そう言う。
私はいつもと同じにしようと高鳴る胸を押さえながらにっこりと笑ってみせた。
そしてまた2人で仲良く登校だ。
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