未知との遭遇

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夜・・・ テントの外からは何も聞こえない 言葉通り、鳥の声も、虫の囁きも、草木の擦れる音も・・・辺り不気味な程の静けさに包まれている 俺は昼間にテントやら荷物の片付けやらで珍しく体を動かしたせいかクタクタだ・・・ そのせいか何もやる気が起きず、今はただ欲望のままに持ってきておいた本を読み漁っている。この不自然な程の静けさに僅かな不安を抱きながら・・・ (だいぶ眠くなってきたな・・・やっぱり昼間気合を入れすぎたか。ま、そのおかげでこの快適な読書空間を作れたからいいけどな) 読んでいる本はファンタジー物 そこいらの少年が変な妖怪にさらわれ別世界に飛ばされるといった内容の本だ 偶然書店で見かけたんだが・・・なぜか一目惚れ、即購入としてしまった まあ案外当りだったからいいんだが・・・その本屋の店主が少し妙だったのを覚えてる 白い大きな変わった形の帽子を被りこれまた変わった緩そうな服をきている金髪のお姉さん 会計をしてる時は普通の営業スマイルだったのに本を受け渡すその瞬間一瞬だけ、本当に一瞬だったけど・・・凄く妖しい笑みになった気がした・・・ まるで人の不安を増幅している様な、言っちゃ悪いけど凄く不気味な笑みだった・・・ (うぅ、思い出したら怖くなってきた・・・本当なんだったんだあの店?八雲書店って書いてたけど・・・・・・・ん?) ふと外に妙な気配を感じる。動物か?唸り声がする・・・山という事を考えると猪か熊か。しまったな・・・動物除けの鈴でも持ってきておくべきだった・・・ まあこっちには爆竹、それに念の為と持ってきたスピーカーもあるし大きめのナイフもある。ナイフは前に友人から使い方を教えてもらえてるし何とかなるだろう。俺はそんな軽い気持ちで外に出てしまった 後にこの軽率な行動で後悔する事になるとも知らず・・・
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