未知との遭遇

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テントの外には予想通りイノシシがいた 興奮はしてないらしく鼻息はそんなに荒くない。むしろ冷静にこちらを観察している様にも見える 落ち着け・・・まずは冷静になって本で読んだとおりにするんだ・・・イノシシは確か大きな音が苦手だったはず イノシシを煽らない様にゆっくり手元の爆竹にライターをよせていく・・・着火・・・・・・今だ! イノシシの鼻先目掛けて爆竹を放る 狙い通り爆竹は鼻先で派手な音を立てて爆発する。人間でも怯むくらいの音が目の前で炸裂したんだからイノシシは逃げるはず・・・そう思っていた だがどうだ?イノシシは逃げ出すどころか先程と変わらずこちらをずっと見つめている 不気味・・・まるで”イノシシの形をした何か”みたいだ・・・ ヤバい・・・そう本能で感じる。脳の奥の第六感的なのが今すぐこの場から逃げろと告げる 手元にはスピーカーに繋いだ拡声器もあるしナイフもある。なのに先程から俺の六感アラームは止まない 「う・・・うぁ・・・」 我ながら情けないとは思うが恐怖のあまり声が出ない。助けも求められない そううろたえている最中イノシシと目が合う 紅い 赤いではなく紅い・・・それは普段見ている様な生き物の目ではない 白目も瞳孔も全て紅いのだ その目を見た瞬間俺の理性は完全に飛んだ 今まで辛うじて抑えてきていた恐怖が一瞬で駆け巡り体を支配する 「うわあぁああぁぁあぁああああっ!!!!だ、だれかああああああああ!!!!」 既に俺の頭の中はこの場から一瞬でも早く、少しでも遠くに逃げる事しか無かった 走る 走る とにかく前に、一心不乱に何も考えずに走る そんな時ただひたすらに走る俺の頭の中に妖しい声が聞こえた 「「みーつけた・・・」」 その声を聞き後ろを見る。そこには・・・ 不思議で不気味な”目”が浮かんでいた
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