第一章 はじまり、はじまり

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       * 晴れ渡る青空。 白い雲に、歌う小鳥の声、木々達のざわめき。 「今日も穏やかな朝を迎えられた事に、感謝致します」 司教様に続いて、村人は神に手を合わせた。 ステンドグラスを通した色とりどりの光が、キラキラと輝いている。 ここはカルハト王国内にある小さな村。 私が、生まれ育った村。 「おはよう、リリスティ」 「お母さん!おはよう」 私の名前はリリスティ。 お母さんと二人暮らしをしている。 赤色の髪に、赤色の瞳。 この国では珍しい人種で、今はもう滅びてしまった国の国民の証。  
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