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産まれたのはこの村だけど、私の故郷はシラルディア国。
いつかシラルディア国を、ここの皆で復興させたい。
お母さんが話してくれた、私達の故郷を。
国は滅びても、シラルディアの血は受け継がれる。
何年かかってでも、必ず。
*
私の家はパン屋。
お母さんと私で切り盛りしている。
なかなか人気のお店だ。
「リリスティ、ちょっといーい?」
お母さんの声が厨房の方から聞こえてきた。
私はパンをさっさと並べて、トレーを持ってお母さんの元へと急いだ。
「何?お母さん」
「おばあちゃんの家に、パンを届けてもらえる?
昨日電話があったの、すっかり忘れてて」
「分かった、良いよ」
じゃあこれ、よろしくね、と焼きたてのパンが入ったバスケットを手渡された。
ふわっ、とパンの香りが鼻をくすぐる。
私は店のエプロンをハンガーに掛けて、
「行ってきまーす」
森に住むおばあちゃんの家へと向かった。
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