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大阪のおっさんは続けた。
「美しい理想に流されてたら、マルクス経済を選択したソ連のようにいずれ崩壊する運命にあるのである。
せっかく経済学部に入ったなら近代経済学もマルクス経済学も両方勉強するのもええことやで」
近代経済学の権化のようなこのおっさんは、
憎っくきマルクス経済を否定したいがためか、
アメリカと並ぶ超大国ソ連の崩壊まで断言してしまった。
(当時ソ連崩壊説を唱える者はいなかった。多くの学生はこのことを誇張だと思い聞き流していたと思うが、驚いたことに2年後に予言が的中し
誰もが想像しなかったあの超大国ソ連が脆くも崩壊したのだった…)
「俺の授業を雑音と思ってもらって結構。
周りの生徒に迷惑をかけへんのやったら寝てようが漫画を読んでいようがかまへん。
ただし、君たちの目的は何であれ全ての学生をフェアに扱うため、
君たちの拘束されるべき時間は同じとしたい。
ほな、出席を取らしてもらう」
大阪のおっさんは出席を取り始めた。
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