2.山下教授(大阪のおっさん)

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出席が取り始められると、僕の関心はカルカン猫まっしぐらに後ろの席に向かった。 間もなく彼女の名前が明らかになるのだ。 僕の名前の次に呼ばれたのがこの名前だった。 「キム・スニ」 彼女の名は「キム・スニ」。 キム・スニ・・・ キムと言えば、キム・デジュン、キム・イルソン・・・韓国、朝鮮人の名前だ。 なんだか意表を突かれた。 意表を突かれている間にも出席が取り続けられている。 現実感のない無機質な日本人の名前ばかりが呼び続けられている・・・ こうして僕の大学生活が始まった。
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