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ほどなくして彼女と話す機会が出来た。
休講である。
大学では良くあることだが、あの大阪のおっさんが何かの講演で急に授業を休講にしたのである。
当日、張り紙一枚で。
だが、それをけしからんと思う学生はいなかった。
彼が授業初日に言った様に、単位を取ることだけが目的の学生が殆どだったからである。
せいぜい「せっかく来たのに出席日数カウントされなくなって悔しい」というくらいだ。
クラスの皆それぞれが次の授業までの楽しい時間つぶしを考えた。
僕はこの時しかキム・スニに話し掛ける機会はないと思った。
彼女はいつも一人で授業だけを受けに来ていてた。
まだ誰とも親しくなっていない様子だ。
僕は勇気を出して彼女に声を掛けた。
勇気というか、後先考えないヤケクソな行動だった。
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