1.僕の姫

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姫との出会いは、早春のキャンパス。 時おり吹き上げる冷たい風に舞い上がる桜の花弁のシャワーが、 新しい生活の始まりを祝ってくれているようだ。 僕は桜が好きだった。 花の美しさもさることながら、 桜は寒い冬の終わりを告げ、4月からの新生活の始まりを飾る花だからだ。 桜は日本人の人生の節目に文字通り花を添えたてきた。 誰もが桜を見ると新しい生活に対する期待、不安、緊張、 などの感情で胸が高鳴った頃のことを 多かれ少なかれ想い出すのではないだろうか。 桜を見ると僕は日本に生まれたことに感謝する。 余談) 日本の韓国統治下に日本人が朝鮮半島に桜を植えたのだが、 日本の敗戦後『桜は日本的だ』という理由で切られてしまったらしい。 坊主憎けりゃ袈裟まで憎いとは言ったものだが、 わざわざ美しい桜を切ってしまわなくてもと思うのだが。 今は桜も植えられ、漢江の中の島、ヨイドは桜の名所となっている。
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