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「…………はい?」
目が点になる僕
「…………」ブッ
鼻血を噴き出す姫
「はい……つまりYesだな!?」
勘違いする魔王
ここに、今世紀最大のカオスな空間が出来上がった
「い、いやいやいやいや待て待て待て待て!え、どゆこと!?どゆことなのコレ!!!?」
「よし!そうと決まれば早速城で挙式だ!」
「挙式だ、じゃねー……ってうわっ!?や、やめろ抱えんな!」
「今日は良き日、記念すべき日だ……今この瞬間、俺は世界で一番幸福な魔王だろうな」
「人の話を聞けえぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
魔王は訳がわからずパニクる僕をサッとお姫様抱っこの体勢で抱えるとすぐさま近くの窓を開けた
「あっ……待ちなさい!私も連れて行きなさい、魔王!」
「っと……ああ、そういえば今日は姫を迎えに行くという約束だったか
約束は約束だ。乗れ
……いいか?よし……行くぞ!」
「やめろ離せ触れるな助けてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
朝焼けの空をサァッと一つの闇が翔ける
大きく羽ばたく黒い翼
キラキラと嬉しげに輝く瞳
背には期待に胸を膨らませる姫
腕にはジタバタもがく花嫁[僕]を抱えて
城を警備していたハリボテ達が己らの愚かさに気が付いた時には
既に何もかもが遅すぎたんだ――
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