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フェンネル国にいたのと何ら変わりないような小さな鳥の囀りを聞きながら洗面所まで辿り着く
「…………はぁ」
顔を洗い、その雫を柔らかなタオルで拭う
鏡には眠そうな僕の顔
あまり寝癖がつかないことが自慢の所々黒の入り混じったクリーム色の髪に、うっすらと橙がかった瞳
「……中性的、とか言われたことはあったけど……」
まさか同性に求婚される羽目になるとは、と
知らず知らずのうちに深い溜息をついていた
「溜息つくと幸せが逃げるぞ?」
「誰のせいだと思って……え?」
いつの間にか隣にいた影
あまりに自然に差し出されたその手に思わずタオルを渡してしまったその後、漸く僕は事の重大さに気が付いた
「よっしゃあぁぁぁああ!今日の朝食ゲットおぉぉぉおお!!」
「何が朝食だ死に晒せこの変態いぃぃぃいい!!!」
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