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「全く……相変わらずツンデレだな、バニラは……」
勢いよく僕へと迫ってきたその顔面を蹴り飛ばしてやったにもかかわらず、頬を染める変態♂こと魔王タイム
後ろで一つに束ねた紺色の長い髪に、紫がかった右しかない瞳。重々しい眼帯で左目が覆われているとはいえ、その非常に整った容姿は所謂イケメンの部類なんだろうけど……
「もう……ツンデレバニたんマジ萌えハァハァ……」
「爆ぜろ」
如何せん言動がキモい
「え?『好きだ』?」
「三文字ってとこしか合ってねーよ!?耳腐ってんのかお前は!」
「失礼な。耳掃除はちゃんと定期的に行っているぞ?
……ああそれともまさかこれはバニラたん流の『今日からは貴方の耳かきは私がやるよ』アピールか?まったく、可愛いやつめ」
「耳鼻科行って耳引き契られてこい!後脳味噌も!」
……ここに来てから数日。このようなやり取りが日常茶飯事的に起こっている
僕にそんな趣味はないし鬱陶しいったらありゃしない。ぶちのめせるものならぶちのめしたい
「……毎日毎日よく飽きないわね」
そして今日こそ魔王の尖り耳を引き契らんとする僕に呆れたような声がかかる
一見すると僕の味方が現れた様にも見えるだろうが
「貴方達、そんなに仲がいいなら
もう結婚しなさいよ。んでベットインしなさい」
現実とはそう甘いものではないのだ
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