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世界の始まりの色が何色か
なんてことをキミと話した帰り道
真っ赤に染まる街に二人して目を奪われて声を揃えて呟いた
『きれー』
重なった音があまりに不協和音で顔を見合わせて笑った
夕暮れなんて、刺激もないありふれた日常のヒトコマだけれど、なんとなく楽しくて、なんとなく悲しくて
キミも同じ気持ちだったのか、繋いだ手がギュッと握られて同じタイミングで一つ息を吐いた
足を止めて街が闇にのみ込まれていくのをぼんやり眺めていれば
街に不自然な灯火が煌めき出して
僕らの世界は色を亡くした
突然の事だった
あまりに突然の出来事だったから
瞬きを一度
そしてもう一度
それでも目の前のそれが消えることはなかったんだ
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