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――…
月末ということもあり、業務中は浩人のことを考える暇もないくらい忙しかった。
伝票整理、書類整理、各種手続き
次々と仕事が舞い込んでくる。
いつもならげんなりするこの時期もありがたくて、積極的に打ち込んだ。
昼休みに南野先輩とランチをとると、”夜、呑みに付き合ってくれませんか?”と誘った。
大抵、いつも二つ返事で快く付き合ってくれる先輩は今日も承諾してくれて、いつもの居酒屋で昨日の出来事を全部話した。
「はぁっ?え、ちょっと待って。出会った時にはもう結婚してたってこと?」
生ビールとモスコミュールに、枝豆、唐揚げ、焼き鳥の盛り合わせ、大根サラダ、たこわさにチャンジャも。
乾杯したあとに次々と運ばれてくるメニューを横目に南野先輩は声を荒げた。
「そういうことみたいです。一夜限りの関係を築きたかったみたいですよ。」
「それが2年も続いたと…。」
先輩があっけにとられている間にサラダを小皿に取り分ける。
「それは落ち込むわ…。」
涙目になりながら机に突っ伏した先輩をみているとなんだか冷静になれたのと同時に、自分のことのように考えてくれる先輩がすごくありがたかった。
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