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「私、あの頃に比べたら仕事に対するモチベーションが下がってます。だからこれを期に仕事頑張ろうかと思って。」
へへっと笑ってみせると、先輩は頬杖をつきながら微笑んでいた。
「柚季穂が新しい目標立てて頑張るなら私は応援するよ。よし!ここは私の奢りだ!存分に呑んで食べるがいい!」
そういってジョッキを掲げる先輩ともう一度乾杯をしてアルコールを流し込んだ。
「でも、もしなんか辛いことあったら遠慮なく相談するんだよ?」
「はい!ありがとうございます!先輩大好きです!」
もう一度、へへっと笑って見せると”私には彼氏がいるから惚れても無駄だぞ!”って自慢されたけど、笑って過ごせるくらいに元気が出た。
これが当時の精一杯だった。
失恋から立ち直る為の、仕事に支障をきたさない為の精一杯の強がり。
ーー…
それから約2年。
宣言通り仕事に打ち込んだ。
持ち帰れそうな仕事は後回しにして家でやったり、仕事に使えそうな資格も取得した。
分からないことがあったら先輩に相談して、指導担当になった後輩にも出来るだけ分かり易いように時に厳しく時に優しく指導して、もちろん今もたまに呑みにいったりするくらいには仲が良い。
そんなことをやってるうちに周りは結婚ラッシュ。
仕事は褒められるようにまでになったけど、恋愛面において置いてきぼり感が半端じゃない。
確かに仕事を頑張る宣言をし出したのは自分だし、新しい恋愛に踏み出せずにいたのも私自信の問題なんだけど。
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