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ーー…
「俺、結城 浩人っていいます。よろしく。」
そう、笑顔で手を差し出した彼にしどろもどろ片手を差し出した。
4年前、同期の子に誘われてなんとなく着いて行った合コン。
お相手は、車メーカーの営業マン。
相手側の1人が遅れるとかで、4対3になってしまった合コンは既に私を除くメンバーで盛り上がっていた。
だから、とくに話すこともなかったし端っこでご飯をつついてたら、遅れて来た浩人がやってきたんだ。
緩くパーマのかかったダークブラウンの髪を片方に流したスーツのその人は、いつの間にか私の隣の席に座っていた。
「ねぇ、抜けない?」
すっと身体を寄せそう耳元で呟く彼の表情はやっぱり笑顔だった。
いつの間にか掴まれていた手首と彼を交互に見る。
年上のくせに無邪気なその笑顔にまあついていってもいいか、なんて思ってしまった。
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