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「柚季穂!あの後、結城さんと抜けたんだって?もー知らなかったよー!あれからどうしたの?」
週が開けた月曜日。
会社につくなりデスクに真っ先に飛んできたのは、週末の合コンに誘ってくれた同期の紗希。
あの後、浩人と合コンを抜けてから、浩人行きつけの雰囲気のいいバーで飲み直してそのまま解散した。
「えー!それだけ?結城さん手早そうなのに…」
合コン会場の居酒屋でもそれなりに呑んでた私は、バーで呑み直してそこそこにアルコールが回っていた。
だから、そうなる前にうまく断りを入れて帰宅したのだ。
それを伝えると、”それさえも丸め込みそうな印象だったから!”と微笑む紗希の表情から、紗希もあの後うまくいったんだろうなって読み取れた。
"酒は飲んでも飲まれるな"”女の酔っぱらい程醜いものは無い”
これが酒豪だったおじーちゃんの言いつけで。
それが功を奏してかなんなのか酔っぱらってお持ち帰りなんてされたことないし、そうなる前にお断りする習慣が身に付いていた。
きっと男の人にしたら可愛げのない女なんだろうけど。
社会人になっても呑むペースを考えてたし、これ以上呑むのはダメだって線引きをしながら呑むことで人に迷惑かけるようなことは避けて通っていた筈だった。
…あの日を除いては。
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