眼前の怪異

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目覚ましをセットし終えた私は、自室の電気を消した。 猟奇殺人犯への用心のため、雨戸を閉めてるから、ほぼ真っ暗闇だ。 と言っても、熟知した私の部屋。 身を翻(ひるがえ)して4歩ほど進み、ベッドの、淡いピンク色シーツにするりと潜り込んだ。 「おやすみなさい」 私は、目を閉じた。 ……ガタッ。 大きな物音が、聞こえた。 発生源は、おそらく、この部屋の壁の真下、屋外、私の家の敷地内。 「何? ……まさか、猟奇殺人犯じゃないわよね?」 恐怖が、じわじわと私の心を蝕んでいく。 私は、瞼をおろしたまま、少し様子を見ることに決めた。 物音一つしない。 ……怖いなぁ。 雨戸は閉まってるし、家には母も弟もいる。 大丈夫だと思うけど、猟奇殺人犯がほんとに怪物だったら、私には分からない方法で、この部屋に入り込めるかもしれない……
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