眼前の怪異

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って、怪物なんて、いるわけがないじゃん。 大丈夫、大丈夫よ。 私は、懸命に、自分を安心させようとした。 ……ニャ─―─―ッ。 「猫か。……脅かさないでよ!」 喉渇いちゃった。ミネウォ飲も。 ……よく考えると、猫の鳴き声はしたけど、さっきの騒音をたてたのが猫とは限らない。 猟奇殺人犯かもしれないわ。 そして、猟奇殺人事件の被害者は、ベッドで、目を見開いた状態で首を切断されたらしい…… 〝私が目を開けると目の前に怪物がいて、いきなり首を刎ねられる〟なんてパターンは、ないよね? う─―─―─―っ。怖い…… 鼓動が速くなり、手に冷や汗が滲み出てきた。 ……大丈夫、怪物なんていないわよ。 私は、恐る恐る瞼を上げる。
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