美女の秘密

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*** 「自殺、でしょうねぇ」 「まあそれで決まりでしょう」 しかしねえ。栗山はうなった。こんな若い美人が自殺とは。 「どうやら最近、精神的に参っていたようで、通院記録もあるようです」 佐川がきびきびと報告するが栗山は一人、釈然としない様子だ。 「でもだからって、普通もっと違う死に方を選ばないか?」 栗山が顎で示すと佐川も死体に目を向けた。その美女の死体は上半身が血まみれだった。 それもそのはず、死因は失血死である。 今のところ、彼女は鏡に自ら突っ込み、そのガラスの破片で首を切って死んだと見ている。 そしておそらくこれが最終結論だろう。 「何でなんだか」 「自分があまりに美人過ぎてつらくなったんでしょうか」 「お前も冗談とか言うんだな」 栗山が笑うと、佐川は真面目な顔のままだった。 コイツも何でなんだか… 「まあ、なんだ。美人には美人の悩みがあったってことだな」 ***
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