美女の秘密

13/16
前へ
/16ページ
次へ
ああ、もうだめだ、我慢できない。 こんなにも欲しいものが、手に入らないなんて!! のどの渇き、飢え、なんとも形容しがたい感情。 それでも、もし自分が捕まるようなことがあれば…「天使のような美女は絶世の悪女だった!」とか「恐怖!マンホールをかじる妖怪女!」とか言われてしまう!! 異常者、人殺し…そう思われるに違いないのだ。 例え私の意思ではどうしようもないのだとしても。 だが…丸いものを絶って3週間もしたころだろうか。とうとう限界に達した。というより私の精神力に体がついていかなかったようだ。 朝、目が覚めてベッドから起きると髪の毛がふわりと舞った。怪訝に思って枕を見下ろすと、髪がごっそりと抜け落ちていた。私は小さく悲鳴をあげたが、意外と冷静だった。 「ああ、もしかしてこれは良い兆候かもしれない」 獣のような自分は普通の人間に生まれ変われるのか。 それともより獣に近くなろうとしているのか。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加