0人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
晴れて高校生となり、それまでの中学へは徒歩通学であったのが、バス通学へと変わり、街道沿いのバス停で、彼女と朝から顔を合わせる事が多くなった。
帰りも一緒になる事が多く、バス停を降りてからの家までの道を二人で話をしながら帰ったりした。
黄金時代である
その頃、理由はわからないけども、何故だかラグビー部に入部する事になってしまった私は、彼女との家までの道のりを一緒に歩く事を諦める事が出来ずに、帰りのホームルームから部活までの数十分間の時間を、とりあえず彼女と別れるところまで歩き、急いで学校に戻って部活に出ると言う日々が何日か続いた。
そんなある日、授業と授業の間の短い休み時間に彼女が私のクラスに来て言った。
「これ読んで」
渡されたのはノートを破いて折りたたんだ手紙であった。
私は帰隊に胸を躍らせて手紙を開いたのである。
…………いろいろ書いてあったけど、早い話が帰り道で待ってるのはやめてちょうだい。
と言う事だった。
部活頑張ってね、とか。
キミにはきっといつか、可愛い彼女が出来るよ!!とか。
そんな事が書いてあった気がするけれど、早い話が帰り道で待ってるのはやめてちょうだいである。
当時はそんな言葉は無かったのではあるが、早い話がストーキングはやめろである。
酷く傷ついた私は暗黒時代に突入である。
高校に入学して二週間目。
こうして私の短い黄金時代は終わりを迎えたのだった
ちなみにその時にもらった手紙は、ずっと大事に保管していたのだけれど、20くらいの時に、ある日突然無くなった。
きっとその時につき合っていた彼女が見つけて投げたのだと思う。
最初のコメントを投稿しよう!