命が宿るまで

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あたしが、産婦人科へ初めて行ったのは、二十歳の時だった。 生理不順…。 3ヶ月に一度、排卵のある生理だった。 当時は、あまり気にしてなかったけど、毎月あった方がいいからと、産婦人科に行ったんだ。 今すぐ、赤ちゃんが欲しいわけではないけど、将来の事を考えて、治療開始した。 生理を来させる薬をもらい、排卵させる薬も飲んだ。 薬を飲むと、排卵もあるし、生理も来る。 でも、この先、もしかしたら赤ちゃん出来にくいかもしれない。 そうなると、体外受精とかもしなくちゃならないかもしれない。 体外受精は、お金かかるから、今のうちに貯めとかないと…。 いつどうなるかわからないもんね。 そんな気持ちもあり、あたしは、貯金もしっかりとした。 6年後、縁があって、今の旦那とつきあい、翌年結婚する事になった。 旦那は、子供が大好きだった。 甥っ子をよく可愛がってた。 結婚するにあたって、あたしは旦那に言った。 『あたし、赤ちゃんができるかわからない。子供大好きでしょ?子供望むなら、結婚はしない方がいい』 覚悟を決めて言ったあたしに。 『オレは、子供が欲しくて結婚するんじゃない。子供はおまけだよ。出来なかったら、二人の生活楽しんだらいい』 そう、言ってくれたから。 あたしは、旦那と結婚したんだ。 この時、あたしは27歳だった。
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