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逮捕された彼女は取り調べに黙秘を続け、取調中に突然血を吐いて倒れて、そのまま帰らぬ人となったとなったのは一月後の事であった。
元々、不治の病であったそうだが、本人はその事さえ取り調べで喋らなかったという。
「中学の時は病弱には見えなかったんだけどな。学校も休まなかったし」
「中学時代が一番、安定していたんですって。それからは高校にもほとんど通えなかったくらい病気をしていたそうよ。なんでも、中学の頃は自分が好きだった男の子が、読んだ本の事を良く聞いてくれて、学校に通うのが楽しかったんですって」
「……誰だろうなぁ……昔の事だから思い出せないなぁ」
「……まぁ、いいわ。それで取り調べで話したのが中学の頃の話だけなんですって」
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