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今にも降りだしそうな、寒くて暗い空だった。
早く帰らなきゃと急ごうとする、キミの小さな手を取って、わざとゆっくり歩いた。
道脇の花壇で、小柄な花が空に向いている。僕には雷が怖くて、心配そうに空を見上げているように見えた。
まるで今のキミと同じ。
その可愛い花弁を見せて欲しいのに。
空じゃなくて、僕を見ればいいのに。
雨なんてどうだっていい。
降ったら僕のジャケットをキミの傘にするから。
そうすれば、
僕のことしか考えられなくなるでしょ?
だから、早く雨が降ればいい。
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